イギリスの伝統菓子”クリスマスプディング”をつくる!料理会報告

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イギリスの伝統菓子クリスマスプディングをつくる!料理会報告

12月も半ば近くとなり、クリスマスの飾りつけやライトアップが煌めくロマンチックな季節となりましたが・・・クリスマスってなんのこと?というくらいの暖かさが続いていますね。

まるで季節を通り越してこれから春になりそうな気さえしますが、今は正真正銘の12月。ここはひとつクリスマスの伝統のお菓子でも準備をして、自らムードを高めていってみてはいかがでしょうか。

クリスマスプディング。写真はすべて小端アキコ撮影(無断転載はお控えください。)


今さら「クリスマスとは」と判りきったことをおさらいしますが、クリスマスはイエス・キリストの降誕をお祝いする日です。世界中のキリスト教国では主に12月25日にイエス・キリストの生誕を祝ってお祝いをします。(国によっては年明け1月6日をお祝いとする場合もあり)

日本ではもっぱらチキンを食べ話題のケーキを食べワインなど飲んでライトアップされた風景を携帯で撮って送りあったりしますね、笑。

それでよいと思うのですよ。私もツリーを飾ってキラキラのクリスマスを思いきり楽しみます。平和な日常を心から楽しみつつ、一方で平和とほど遠くなってしまった状況でクリスマスを迎える人たち、子どもたちがいるということを忘れずに、今辛い状況に置かれている人たちに少しでも早く平和な日常が戻るよう、その人たちと共に祈る気持ちでクリスマスを過ごしたいと思います。

本題から外れましたが、11月30日(木)いつもの築地の魚河岸クッキングスタジオにて、「築地で世界のお祝い料理を楽しむ会第9回 イギリスの伝統クリスマスプディングを楽しむ」を実施しました!

本日の講師 渡辺理恵子氏。イギリスの古都ヨークでイギリスのお菓子を学ぶ。 月1回横浜にて「イギリスを知るカフェ」を主催。


クリスマスに食べるものと言えばお国によってチキンや七面鳥、クリスマスハムなど色々ありますね。さまざまな料理はクリスマスの楽しみの一つとなっていますが「お菓子とクリスマス」も切っても切れない間柄で、クリスマスの伝統菓子はわくわくするほど数多く存在します。

日本でもポピュラーになったシュトーレン、可愛らしい形のジンジャーマンクッキー、ブッシュ・ド・ノエル、レープクーヘンなどなど。それぞれにいわれや起源があってそんな話を深堀するのも楽しいです。聖夜を彩るお菓子の数々は人々の気持ちを明るく照らす効果があるように思います。

そんな中でイギリスの“クリスマスプディング”といったら、知る人ぞ知るなかなか出会えない、王道の伝統菓子といって良いのではないでしょうか。

私も今回はじめてレシピのレクチャーを受けました。

そして“クリスマスプディング”という名前を初めて聞いたそこのあなた、どんなお菓子をイメージしましたか?

プディングといったらいわゆるカスタードプディング?トゥルンとしたプルルンとしたお菓子を思い浮かべたかもしれません。でもそのイメージは食材リストを見ると木っ端みじんに打ち壊されます。はい、見てください。

クリスマスプディング 食材

・小麦粉

・パン粉

・デメララシュガー

・全卵

・ケンネ脂

・黒ビール

・ダークラム

・ブランデー

・ミックススパイス

・ミックスピール

など一部省略。

クリスマスプディングの材料をボウルに合わせたところ。


黒ビールや脂などお菓子の材料と思えないもので、この写真も一見何なのか分からないものに思えますが、れっきとしたお菓子づくりの工程です。イギリスは〇〇プディングとプディングの名前がつくお菓子が多いですが、多くは日本人がプリンと聞いてイメージするものとはかけ離れています。今回つくったクリスマスプディングはケルト神話にも遡る起源をもつ歴史の古いお菓子で、16世紀までにはイギリスのクリスマスの象徴的なお菓子として位置づけられ、その後ヴィクトリア女王の時代に英国王室のデザートに採用されイギリスのクリスマスには欠かせない存在になったそう。

写真にある白いものはケンネ脂という牛脂の一種で、溶けにくい部位のものを使うのだそうです。こんな脂がお菓子に使われると驚くかもしれませんが、古い起源を持つお菓子の場合、牛脂がお菓子作りにつかわれることも多くありました。料理法が今と違いますし、またお菓子に対する感覚も現代とは違っており、お菓子と料理が明確に分かれていなかったことも影響されているそうです。

クリスマスプディングの元ができました。


さきほどの合わせた材料をよく混ぜていきます。その際に時計回りにぐるぐると混ぜながら来年のお願い事をする願掛けがイギリスにはあるそうで、それぞれに願いを託し混ぜました。

手に力を込めて真剣に混ぜました!

これを容器に詰めて蒸し器で蒸していきます。蒸しあがったものはもちろんすぐに食べることはできるのですが、元々クリスマスプディングはクリスマスの日につくるのではなく、ひと月ほど前につくってクリスマスにかけて熟成させていくのが大事な工程となります。

クリスマスプディングを蒸していきます。

中にはイギリス王室の伝統のミックススパイスやドライフルーツなどもたっぷり入っており、これらが時間と共に熟成し深い濃厚な味わいが生まれます。

今回は蒸しあがったものをその場で食べる用と持ち帰って熟成させるものと一人2つ作りました。

各テーブルでのクリスマスプディング実習風景  


実習風景


さて今回、クリスマスプディングだけではなく、モルドワインや英国王室で生まれたレシピ、“コロネーションチキン”のサンドイッチもつくりました。

モルドワインに入れる柑橘類やスパイス

緑色の果皮のものはベルガモットで日本では高知でつくられているそうです。実物のベルガモットを初めて見ました。素晴らしい香り!!

モルドワイン。火を入れるとより部屋は爽やかな香りに包まれました。


コロネーションチキンはこれも英国王室ゆかりのレシピで、1953年のエリザベス2世の戴冠式に考案されて以来、イギリス人には馴染みの深い料理となりました。

鶏むね肉にカレー粉+マヨネーズ+マンゴーなどのフルーツのソースを混ぜ合わせたもので、フルーツの甘味とカレーのスパイシーさがさっぱりした鶏むね肉によく合います。

ライスと合わせたり今回のようにサンドイッチに挟んだりして気軽に食べられているそうです。

コロネーションチキンの工程。レモンピールの風味も鶏肉によく合います!
クリスマスプディング、モルドワイン、コロネーションチキンのサンドイッチ、ミンスミート。クリスマスティーもいただきました。

クリスマスプディングが蒸しあがり、モルドワインやコロネーションチキンのサンドイッチも出来上がりました。星形の“ミンスパイ”は渡邉さんがつくってきてくれたものです。

ありがとうございます!!

試食の時間。めちゃ良い笑顔です❤
イギリス伝統のクリスマス、試食の時間。
イギリス伝統のクリスマス 試食の時間。思わず笑顔♪

試食の時間にはイギリスでのクリスマスの過ごし方を渡辺さんから伺いました。

たとえば現代ならハリーポッターの劇中でもイギリスならではの料理やお菓子が出てきたりしますし、そんな物語にちなんだイギリス文化の話を伺うのは楽しいですね。

私は少し古いですがメアリーポピンズの本がとても好きで、お話しに出てくるイギリスのお菓子や料理の話を聞くとテンション上がってしまいます。

渡邉理恵子先生。気になる方は「イギリスを知るカフェ」で検索してみてください。


ご参加の皆さんには少し早いイギリスのクリスマスを皆さん作って楽しんで頂けたと思います。もしかしてイギリス第2弾もありかも?

ご参加の皆さま、渡邉理恵子先生、ありがとうございました!

次回は1月30日(火)ブルガリアの新年のパイを作ります!

パイの中に入れるものははたして何でしょう??お楽しみに。

-参加者アンケートより-

「以前から気になっていたクリスマスプディング。材料がよくわからなくて、作ってみたくてもできなかったので、今日、実際に口にすることができたので、本当にうれしかったです。お話も大変興味深かったので、Part2があったらいいのにな!と思った位でした。」

「プディングもコロネーションチキンもとても美味しかったです。デモ中にもイギリスの文化ヤ習慣のお話を沢山伺えて有意義な時間を過ごせました。」

「イギリスの本場のレシピとクリスマスのお話を聞けた事、お料理もおいしかったです。

以前から気になっていたクリスマスプディングを実際に作り実食事、さらにクリスマスにまつわる興味深いお話しが聞けて、大満足でした。」

「プディング、とても美味しかったです。熟成後のプディングも楽しみです。」

「知識の豊富な先生で、お料理に関するお話が沢山聞けて良かった。」